ビットコインを購入する前に知っておくべきこと
ビットコインへの投資を考えている方にとって、「どこで」「どのように」購入するかは非常に重要な問題です。特に取引所ごとに異なる手数料体系は、長期的な投資リターンに大きな影響を与える可能性があります。
この記事では、主要な取引所の手数料を徹底比較し、初心者でも分かりやすいビットコインの購入方法を解説します。さらに、賢く手数料を抑えるコツについても紹介していきます。
ビットコインの購入方法は大きく分けて以下の3つがあります:
- 暗号資産取引所を利用する方法
- ビットコインATMを利用する方法
- 個人間取引(P2P)で購入する方法
この中で最も一般的で安全なのは、取引所を利用する方法です。取引所は取引の安全性や法令順守の面でメリットがあります。
取引所選びで迷ったら、まずは国内の金融庁に登録された取引所から始めるのが安心です。海外取引所は手数料が安いケースも多いですが、日本語サポートや法的保護の面で国内取引所に劣る場合があります。
国内主要取引所の手数料比較
ビットコインを購入する際に発生する主な手数料は、取引手数料、入金手数料、出金手数料の3種類です。ここでは、国内の主要取引所の手数料を比較していきます。
取引所名 | 取引手数料 | 日本円入金手数料 | 日本円出金手数料 | 暗号資産出金手数料(BTC) |
---|---|---|---|---|
bitFlyer | Maker: 0% / Taker: 0.01〜0.15% | 銀行振込:無料 コンビニ:770円 |
銀行振込:3万円未満 550円 3万円以上 770円 |
0.0004 BTC |
Coincheck | Maker/Taker: 無料 | 銀行振込:無料 コンビニ:770円 |
銀行振込:407円 | 0.0005 BTC |
GMOコイン | Maker: 0% / Taker: 0.05% | 銀行振込:無料 クイック入金:無料 |
銀行振込:無料 | 0.0006 BTC |
DMM Bitcoin | Maker/Taker: 無料 | 銀行振込:無料 | 銀行振込:無料 | 0.0005 BTC |
SBI VCトレード | Maker: 0% / Taker: 0.05% | 銀行振込:無料 | SBI銀行:無料 他行:550円 |
0.0006 BTC |
※手数料は2024年時点の情報です。最新の情報は各取引所の公式サイトでご確認ください。
取引手数料の解説
取引手数料には「Maker」と「Taker」の2種類があります。
- Maker手数料:指値注文(希望する価格を指定する注文)を出して、その注文が約定した場合に適用される手数料です。市場に流動性を提供するため、一般的に低く設定されています。
- Taker手数料:成行注文(現在の市場価格ですぐに取引する注文)や、すでに出ている注文に対して即時に約定する場合に適用される手数料です。流動性を「取る」ため、通常はMaker手数料より高めに設定されています。
国内取引所の特徴
国内取引所は金融庁の登録を受けており、セキュリティや法令順守の面で安心感があります。一方で、海外取引所と比較すると手数料が若干高い傾向にあります。また、取り扱い通貨の種類は海外取引所より少ないことが一般的です。
国内取引所の中では、DMM BitcoinやCoincheckが取引手数料無料という点で初心者に優しいですね。ただし、出金手数料や暗号資産の送金手数料も考慮する必要があります。頻繁に出金する予定がある方はGMOコインやDMM Bitcoinが良いかもしれません。
海外主要取引所の手数料比較
海外の取引所も選択肢に入れることで、より多くの通貨ペアや低コストの取引が可能になる場合があります。ただし、日本語サポートや法的保護の面では国内取引所に劣る点があることを理解しておきましょう。
取引所名 | 取引手数料 | 入金手数料 | 出金手数料(BTC) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Binance | Maker/Taker: 0.1% (BNB利用で割引) |
暗号資産:無料 クレジットカード:1.8%+ネットワーク手数料 |
ネットワーク手数料による | 世界最大の取引量、多数の通貨ペア |
Kraken | Maker: 0.16% / Taker: 0.26% (取引量で割引) |
暗号資産:無料 SWIFT: \$5~\$25 |
0.00015 BTC | セキュリティに定評あり |
Bybit | Maker: 0.1% / Taker: 0.1% | 暗号資産:無料 | ネットワーク手数料による | ユーザーフレンドリーなインターフェース |
OKX | Maker: 0.08% / Taker: 0.1% | 暗号資産:無料 | ネットワーク手数料による | 豊富な取引ツール、デリバティブ取引 |
Coinbase | 0.4%~0.6% (取引量による) |
ACH: 無料 クレジットカード: 3.99% |
ネットワーク手数料による | 初心者向けインターフェース、高いセキュリティ |
※手数料は2024年時点の情報です。最新の情報は各取引所の公式サイトでご確認ください。
海外取引所利用の注意点
海外取引所を利用する際には、以下の点に注意することをおすすめします:
- 日本語サポートが限られている場合がある
- 日本の金融庁の監督下にないため、トラブル時の保護が限定的
- 税金の申告が複雑になる可能性がある
- 為替レートの変動リスクがある
- 日本からのアクセス制限がある場合もある
海外取引所は一般的に取引手数料が安く、取り扱い通貨も豊富ですが、日本円での直接入出金が難しいケースが多い点は注意が必要です。多くの場合、国内取引所で購入した暗号資産を送金して利用することになります。
海外取引所は手数料が安いことが多いですが、初心者の方は最初から海外取引所を使うのではなく、まずは国内取引所で基本を学んでから検討するのがおすすめです。特に大きな資金を動かす予定がある場合は、セキュリティと法的保護の観点から慎重に選びましょう。
ビットコインを購入する手順(ステップバイステップガイド)
ここでは、一般的な国内取引所でビットコインを購入するための基本的な手順を解説します。各取引所で細かい違いはありますが、大まかな流れは共通しています。
STEP 1: 取引所に口座を開設する
- 取引所の公式サイトにアクセスし、新規登録ボタンをクリック
- メールアドレスとパスワードを設定
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)をアップロード
- SMS認証や二段階認証を設定
- 審査が完了するまで待機(通常1〜3営業日)
STEP 2: 日本円を入金する
- 取引所の「入金」ページにアクセス
- 銀行振込、コンビニ入金、クレジットカードなど、希望の入金方法を選択
- 表示される入金先情報に従って入金手続きを完了
- 入金の反映を確認(銀行振込の場合、平日日中なら数時間以内に反映されることが多い)
STEP 3: ビットコインを購入する
成行注文の場合(初心者向け)
- 取引所の「取引」ページにアクセス
- 「BTC/JPY」などのビットコイン取引ペアを選択
- 「成行注文」を選択
- 購入したい金額または数量を入力
- 「購入」ボタンをクリック
- 注文内容を確認し、確定
指値注文の場合(手数料を抑えたい場合)
- 取引所の「取引」ページにアクセス
- 「BTC/JPY」などのビットコイン取引ペアを選択
- 「指値注文」を選択
- 希望する購入価格と数量を入力
- 「購入」ボタンをクリック
- 注文内容を確認し、確定
- 指定した価格になるまで待機(市場価格が指定価格に達すると自動的に約定)
STEP 4: ビットコインを安全に保管する
長期保有する場合や大きな金額の場合は、取引所からハードウェアウォレットなど安全性の高いウォレットに移すことをおすすめします。
- 安全なウォレットを準備(Ledger、Trezorなどのハードウェアウォレットがおすすめ)
- ウォレットのビットコイン受取アドレスをコピー
- 取引所の「出金」ページでそのアドレスに送金手続きを行う
- 送金手数料を確認し、送金を実行
- 取引が承認されるまで待機(通常10分〜1時間程度)
手数料を抑えるコツ
ビットコインの取引や保有コストを最小限に抑えるためのコツをいくつか紹介します。長期的に見ると、これらの手数料の違いは大きな差になる可能性があります。
1. 指値注文を活用する
成行注文ではなく指値注文を使うことで、多くの取引所でMaker手数料(通常はより安い)が適用されます。少し待つ余裕があるなら、この方法で取引手数料を削減できます。
2. 取引所独自トークンを活用する
Binanceの「BNB」のように、取引所独自のトークンを保有していると手数料割引が適用される場合があります。頻繁に取引する予定なら、こうしたトークンへの投資も検討する価値があります。
3. 取引量に応じた割引を活用する
多くの取引所では、月間取引量が増えるほど手数料率が下がるVIP制度を提供しています。大口取引を行う予定なら、こうした制度のある取引所を選ぶと良いでしょう。
4. 入出金方法を工夫する
銀行振込が無料の取引所を選んだり、出金手数料の安い時間帯を選んだりすることで、入出金コストを削減できます。特に、SBI銀行口座を持っている場合はSBI VCトレードを利用すると出金手数料が無料になるなど、銀行との連携サービスを活用すると良いでしょう。
5. 複数の取引所を使い分ける
用途に応じて複数の取引所を使い分けることも一つの戦略です。例えば:
- 日本円の入出金:手数料無料の国内取引所
- アルトコイン取引:取扱通貨が多い海外取引所
- 長期保有:セキュリティの高い取引所やハードウェアウォレット
6. 頻繁な取引や少額取引を避ける
ビットコインのブロックチェーンネットワーク手数料は固定額のため、少額を頻繁に送金すると割高になります。可能な限りまとめて取引することで、全体の手数料を抑えられます。
7. ネットワーク混雑時を避ける
ビットコインのネットワークが混雑する時期(価格が急変動している時など)は送金手数料が高騰することがあります。緊急でない場合は、ネットワークが比較的空いている時間帯を選ぶと良いでしょう。
手数料は一見小さく見えますが、積み重なると大きな金額になります。例えば、100万円分のビットコインを購入する場合、手数料率0.1%と0.3%の差は2,000円。頻繁に取引する方なら年間で数万円の違いになることも珍しくありません。賢く取引所を選びましょう!
ビットコイン購入時の注意点
最後に、ビットコイン購入時に注意すべきポイントをまとめます。初心者の方はこれらの点に特に注意してください。
セキュリティを最優先に
取引所アカウントには必ず二段階認証を設定しましょう。また、パスワードは他のサービスと共有せず、十分に複雑なものを使用してください。大きな金額を保有する場合は、ハードウェアウォレットの利用を強く推奨します。
価格変動リスクを理解する
ビットコインは価格変動が大きい資産です。投資可能な金額のみで取引し、借金してまで購入することは避けましょう。
分散投資を心がける
ビットコイン一種類に全資産を投資するのではなく、複数の資産クラスに分散させることでリスクを軽減できます。
税金の知識を持つ
日本では暗号資産の利益は「雑所得」として課税されます。利益が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。取引記録は必ず保管しておきましょう。
詐欺に注意する
「必ず儲かる」「高利回り保証」などの甘い言葉には要注意。正規の取引所以外からの購入は避け、見知らぬ人から直接購入することも避けましょう。
情報ソースを複数持つ
投資判断は複数の信頼できる情報源に基づいて行いましょう。SNSの情報だけを頼りにするのは危険です。
ビットコイン投資は長期的な視点で行うのがベストです。短期的な価格変動に一喜一憂せず、定期的に少額ずつ購入していく「ドルコスト平均法」も初心者におすすめの投資方法ですよ。
まとめ:自分に合った取引所を選ぼう
ビットコインの購入方法と手数料について詳しく解説してきました。最適な取引所は個人のニーズによって異なりますが、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
初心者におすすめの取引所
- 国内取引所:Coincheck、bitFlyer、DMM Bitcoin
- 理由:使いやすいインターフェース、日本語サポート、セキュリティ対策が充実
手数料を重視する方におすすめの取引所
- 国内:DMM Bitcoin、GMOコイン
- 理由:取引手数料が無料または低め、出金手数料も比較的安い
- 海外:Binance、Bybit
- 理由:取引手数料が全体的に低く、取引量に応じた割引も充実
セキュリティを重視する方におすすめの取引所
- 国内:bitFlyer、GMOコイン
- 理由:コールドウォレット保管率が高く、セキュリティ対策が充実
- 海外:Kraken、Coinbase
- 理由:長期間にわたりセキュリティ侵害の実績がなく、保険も充実
多様な通貨を取引したい方におすすめの取引所
- 国内:Coincheck、bitFlyer
- 理由:国内取引所の中では比較的多くの通貨を取り扱っている
- 海外:Binance、OKX
- 理由:数百種類の通貨ペアを提供、マイナーなアルトコインも取引可能
最終的に、ビットコイン投資で成功するためには、手数料だけでなく、セキュリティ、使いやすさ、サポート品質などを総合的に判断して取引所を選ぶことが重要です。まずは少額から始めて、徐々に経験を積んでいくことをおすすめします。
また、市場は常に変化しているため、定期的に各取引所の手数料体系をチェックし、必要に応じて取引戦略を調整することも大切です。最新の情報を常にキャッチアップし、賢明な投資判断を心がけましょう。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。暗号資産投資にはリスクが伴います。投資は自己責任で行ってください。
最初は「どの取引所がいいのかな?」と迷うかもしれませんが、まずは1つの国内取引所から始めて、徐々に知識と経験を増やしていくのがベストです。この記事を参考に、自分のニーズに合った取引所を見つけてくださいね!